
ー仕事内容・勤続年数を教えてください。
入社して13年目です。矢野紋織に入社してからは、織布部門で、製織、伸べ繫ぎ※、織機調整などを担ってきました。
実は、今治に来る前は横浜で長く営業職をしていました。子どももいたのですが一念発起して、42歳のころ今治に転居しました。子育てにはとても良かったと思います。都会とは、公園の規模も数も全然違います。当時は子どもも小さかったですから、公園を梯子したりして、彼らも喜んでいました。島があって、海にもすぐに行けます。人工物でない自然の美しさ、豊かさに触れられるのが今治だと思います。
ー営業職から織布の技術職に変わられたことに、
苦労があったのではと想像します。
今治に来るにあたっては覚悟してきました。40代での異業種・異職種へのチャレンジで、正直不安はありましたね。最初は辛いこともありました。
まず大変だったのは体力面です。営業のデスクワークから立ち仕事になったことで、最初は1日の就業が終わると疲労困憊でしたね。当初、万歩計を付けてみたことがあったのですが、1日が終わる前に2万歩を超えていて、その数字を見るだけで頭がクラクラしてしまったので計測をやめました(笑)。でも、暫くすると慣れて体力もつき、辛いと思うことはなくなりました。人間の身体は良くできていますね。
一方、知識面の苦労は続きました。織布の現場は、知識がなければ、技術がなければ、何もできませんから、本当にゼロからのスタートです。最初は下積みとして、荷物持ち、掃除など、本当に単純なことしかやれませんでした。周りは忙しく動いて、色々なことをやっているけれど、自分は全く何もできない。それどころか、見ても何をしているかすら分からない訳です。
ーそこからどのように動いていかれたのですか?
兎に角、先輩や同僚がやっている姿を見て、訊いて、覚えての繰り返しです。色々な講習に行かせていただいたのですが、そもそも用語からして珍紛漢紛ですから、分からないことは直接分かるまで訊いていく他ありません。織布での現場仕事は、待っている、受け身だとなかなか進展しないと思います。年齢的にも、いつまでも初心者な訳にはいきませんから、時間が空いている時には、積極的に声を掛けて教えてもらいに行っていました。
ーそこから今では工場長補佐として織布の現場の要として活躍されています。
私も自分から知らないことは訊くように心掛けていましたが、工場長の渡辺をはじめ、周囲の方に助けられました。訊くと何でも丁寧に教えてくれます。教えてもらいながら、色々なことができるようになりましたね。本当に、分からないことがあったら自ら訊いていくことが大事だと思います。
現場で最も重要なのは「安全第一」という考え方ですが、危ないことを察知するにも前提として知識が必要です。兎に角、分からないことを放置しないことです。また、織布の現場としては、コミュニケーションはよく取れていると思いますが、チームでしっかり情報連携できることも大切だと考えています。
現場で最も重要なのは「安全第一」という考え方ですが、危ないことを察知するにも前提として知識が必要です。兎に角、分からないことを放置しないことです。また、織布の現場としては、コミュニケーションはよく取れていると思いますが、チームでしっかり情報連携できることも大切だと考えています。
ー今のお仕事で挑戦されてることや、克服しようとされている課題はありますか?
今は織布の現場の仕事以外で、糸の仕入れの手配や・生産予定の段取り業務などに取り組んでいます。織布とは性質が異なる仕事ですが、それらの両立をものにしたいと挑戦しているところです。現場作業をこなしながらで、時間のコントロールは難しいのですが、乗り越えられると信じてやっているところです。
定期的に課題に直面するのですが、壁に当たった時には「前のあの大変なんもできたやん」と過去の事を思い出して、前向きに捉えるようにしています。外の人からすると、織布の現場は毎日同じことをやっているように見えると思うのですが、現場内での見え方は違うんです。私は日々「自分が変わっている、更新されている」感覚を持っています。同僚を見ていても「目に見えて変わった」と思うことがあります。
ー仕事のやりがいはどんなところですか?
「できるようになった」という充実感・達成感は一塩です。伸べ繋ぎ※が3時間かかっていたことが1時間になったなど、自己満足なのかもしれませんが、自分の成長が工場・会社への貢献にも繋がっているとも言えると思います。
矢野紋織の経営理念とも通ずるところなのですが、「初心を忘れないこと」は意識しています。人は慣れてくると怠けてくるものじゃないですか。入社時の何に対しても真剣だった気持ちを忘れないことで、大変なことも乗り越えられますし、着実に成長できると思っています。
ーどのような方と一緒に働きたいですか?
やはり、長く勤めてくれる方でしょうか。技術職なので、時間を掛けても手に職を付けていきたい方が良いと思います。また、視野が広い人だといいですね。例えば、機械が停止したといっても、すぐに故障箇所はわかりません。物事を、正面からだけでなく、側面、後方など様々な角度から見て、原因を探れる人が良いと思います。
とはいえ、最初は知識がないので、中々自分だけで考えて動ける訳ではありません。ですから、最も大事なのは「なんでだろう」と考えて、自分のやり方や考えに固執せず、周囲に訊いていけることじゃないでしょうか。先にお話したように私もそのようにして一歩ずつ進んできました。入社する方にも「初心を忘れない」気持ちを持って、主体的に仕事に取り組んでもらいたいと思いますが、自分の経験から初心者の気持ちは分かる部分もあるので、こちらも寄り添いながら指導していきたいと思います。
※前の製品の製織完了後、次の製品の製織に移るため糸を繋ぐ作業
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